【オセロ】
とても顔が広い日本人がいた。彼は必ずチェックのシャツ、フェドラハット、マンハッタンポーテージのポーチ、そし
てメガネで登場する。飲み会があると、全員と連絡先を交換して、ノートにメモを書き込む。 しばらく経つと、彼は抜け出し、別グループの飲み会に紛れ込み、同じ事を繰り返す。週末は10グループぐらい回る、アクティブな人だった。
当時、私は日本人の友達が欲しくて、英語に興味がある人と会う事しか思いつかなかった。どんな繋がりでも、このフェドラハットの男が誰かしらの知り合いとして毎回登場してた。
何故この男と毎回会うのか?彼も英語に興味がある日本人を探していたように感じた。
ある日、この男とオセロをした。彼のオセロにはルールがあった。駒を打つ度に、相手に質問をして、互いの事をもっと良く知るルールだった。
最初は誕生日などを聞かれて、私はただ同じ質問を相手にもしてたが、後半はもっと攻めた質問をする。
どうやら、彼は営業をしていた。
英語に興味がある日本人と仲良くなって、英会話スクールを紹介する仕事をしていた。
彼は昔、ピースボートで世界一周旅行をして、これを切っ掛けにワーホリもして、関連する仕事をしたかったようだ。(ピースボートとは居酒屋に貼ってある「世界一周旅行ポスター」のことだ)
友達を作りながら収入になるのは win-win と考える人もいるが、私はただ普通に日本人の友達が欲しかった。勝敗を覚えていないオセロだった。
余談:オセロは日本人が発明したので、北米では知らない人が多い。シェイクスピアの「オセロ」は、白人と黒人の物語なので、これをヒントにゲームが名づけられた。英語圏では、オセロではなく、別名で売られる事が多い。
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